マウイ島のトラバーサ・ハナ、ホテルハナマウイにて

 

マウイ島は好きで何度も行ってますが、実は最近はちょっとご無沙汰しています。かつてマウイ島にいって、ホテル巡りをするのが好きでしたが、時間と予算が限られるようになって寂しいことに今は回数も減りました。

マウイ島で一番好きになったホテルは、当時の名前でホテル・ハナ・マウイでした(今は、トラバーサ・ハナという名前に変わっています)。これは当時の追憶です。

・・・・ずいぶん前にマウイ島に取材で行ったとき、ホテルハナマウイに宿泊した。なんのことはない、そのホテルを取材したかったから行ったわけだけれど、あまりに素晴らしく帰る気がなくなってしまったのだった。
     僕はこのホテルで本当にハワイの素晴らしさを知ったのかもしれない。テレビもなくラジオも新聞もない。そこには、風音と太陽の光と月の光があるだけだった。それでも、周りの彩りはまさにハワイそのもので、真っ青な海と空、緑の芝生の上の点在する美しいコテージ。そのコテージの間を静かにゆっくりとカードが走り抜けていく。カーとはやがて自分たちのコテージに迎えにきてくれて、それに乗って食事をしにメインビルディングに向かう。木でできた建物はどこまでも自然のままだ。
     食事も素晴らしいが、そこで行われていた伝統の踊りや舞いにも魅了された。マウイ島の強さのようなものを再現しているのだろうか。その雰囲気は生命の源を感じさせるほどに魂が息吹いていた。
     僕はそのとき思った。しばらくは無理、でも、いつか必ずこのハナマウイホテルに来てもう一度ハワイをこの目で見たい、と。
     ホテル・ハナマウイの近くには、美しい滝もあればきれいなビーチもある。小さなハセガワ・ゼネラルストアーが1軒だけあって、それがハナの歴史を物語っているようになにかを語りかけてくる。
     ハナには、名優リンドバーグの墓がある。彼は生前、自分が死んだらここに埋めてほしいという言葉を残して最期を迎えたとのこと。そして、ビートルズのメンバーだったジョージハリスンもこのハナに別荘をもっていて、何度も訪れていた。死去するときに、やはりハナに向かおうとしたが、その機内で様態を崩しロサンゼルスで道半ばで息を引き取った。
     天国に一番近い島。この言葉は、他の場所でも使われていたりするけれど、僕にとってはハナこそがこの言葉の真実を知っているように思えてしまう。僕はハナ以外でこんな言葉が頭に浮かんできた場所は、今までにない。
     ずっとハナには行っていない。でも、いずれ行く。行かなければならないから、行く。
あんな経験は、忘れることなんてできるわけがない。ハナって、そういう場所だった。